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「ごめんください」
そう声が聞こえて、田吾作が家の戸を開けると、ひとりの女性が立っていました。
その女性は肌の色が透き通るように白く、この世の者とは思えないほど美しい人でした。
「夜分遅くにすいません。私の名前は『おツル』と申します。道に迷ってしまって。申し訳ないのですが、今夜一晩泊めていただけないでしょうか」
田吾作はその女性の美しさにしばらく見とれていましたが、困り顔で田吾作の返事を待ち、黙っているおツルに気づいて口を開きました。
「夜分遅くにすいません。私の名前は『おツル』と申します。道に迷ってしまって。申し訳ないのですが、今夜一晩泊めていただけないでしょうか」
おツルは一瞬なにが起きたのかわかりませんでした。
田吾作はおツルが言ったことを一言一句そっくりそのままくり返して言ったのでした。
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