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「そうなの……社会人の先輩として偉そうな事言っていいかしら?」
「「はい……」」
「面倒くさい事を避けている人は絶対に成功しないの。だから頑張って!面倒くさい事を」
「は、はい……」
なんとなく言われている意味はわかる。この女性はそうやってキャリアを積んできたのだと感じた。
「今日は素敵な店員さんに出会えたから1枚いただくわ。あなただったらこのスーツにどのワイシャツを合わせるかしら?」
私は迷わず濃紺のワイシャツを差し出した。
「こちらにそのスカーフでバッチリです!」
「あら、そうねこれなら上着を脱いでも素敵よね?ワイシャツが主役になるわ、と言うか私にとっては戦闘服みたいな物だけどね」
「えっ?」
私は耳を疑った。ワイシャツが主役って言っていた。
「こちらのサイズで宜しいかと」
「あら、わかるの?私のサイズ」
「はい、いつも測ってますから、見たらだいたい」
女性は微笑んで頷いてくれた。
「「ありがとうございました」」
私達は凛とした後ろ姿を見送った。
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