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#1 royalblue
今夜、私は初めて会った男に処女を捧げる。
「ねえ、マジでいいの?」
さっきから何度も確認してくるこの男はイサトと名乗った。25歳の社会人らしい。
後ろを刈り上げた黒髪に、すっきりとした顔立ち。
良く言えば爽やか、悪く言えば特徴のない顔。
タイプじゃないけど優しそうだからいいなと思った。
「確認するけど、未成年じゃない?」
「違うよ、ハタチ」
質問攻めでちょっと鬱陶しい。
でもそれは、初対面の人に処女もらって下さいなんて、いかれたこと言った私の責任でもある。
どうかしてるって自分でも分かってる。
だけど私には、どうしても処女を捨てなきゃいけない理由があった。
「後悔しない?」
「……いいよ、大丈夫」
私の心理を考慮しての質問。この人は本当に優しいんだろうな。
自分のことしか考えてない男は気遣いできないだろうし。
人選は悪くないかも、そう思ってホテルに足を運んだ。
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