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初めてのキスはよく分からなかった。
ドラマや漫画の影響で、キスというものを期待しすぎたせいかもしれないけど。
思ったのは、男の人も唇柔らかいんだなって感想くらい。
「口開けて」
だけどそう命令されて、されるがまま口を開いて驚いた。
イサトの舌がためらいなく私の口の中に入ってきた。
驚いて身体が勝手にビクッと反応する。
「大丈夫?」
「……びっくりしただけ」
小さな声で答えたら、イサトは片方の口角を上げた。
すぐに再開されたキス。合間に「可愛い」と呟いて私の頭を優しく撫でる。
口内を他人の舌が蹂躙する。
同時に服の上から胸を触られて、刺激が強すぎて目が回りそう。
息をするタイミングが分からなくてずっと息を止めてた。
ディープキスって、こんな苦しいの?
「……ハァ、苦しい」
結局息が続かなくてギブアップ。
イサトの胸を押して嫌がったらすぐ解放してくれた。
「こういう時は鼻で息すんの」
「難しいよ」
「……その顔計算?可愛すぎない?」
唇を尖らせたら笑われた。
仕方ないでしょ、経験がないからこっちは必死なの。
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