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「俺、弁当を買ってきたけれど、桜葉がいるのならば、焼き肉にしようかな」
「麻野さん、警察に協力してください。それと、俺達は夕食を食べてから来ています」
麻野よりも、勝巳のほうが警察に対応していた。そして、あちこちの指紋を取ると、写真を撮り、警察が帰って行った。
「まあ、盗まれただけで、怪我とかなくて良かった」
勝巳が帰ってゆくと、麻野がどっぷり疲れていた。
「完成品だったのに…………」
「でも、俺も麻野さんが無事で良かったです。倉庫の部屋は狭いですよね?事務所のほうに移動しましょう」
しかし、白蓮はまだ捜査をしていたようだ。あちこちの傷を確認し、傷の割に部屋が荒れていない事に首を傾げていた。
「柱と床に、新しい傷が複数あります。引き摺った跡もある。それなのに、部屋が荒らされていない」
「片付けてくれたのだろ」
部屋を片付けたというフレーズで、白蓮が何かに気が付いた。
「そうか、元通りにしていったのか…………」
元通りにしても、ミゼットが無くなっていたのでは、誰かが来たと気付くだろう。
「きっと…………他に無くなったものがあるのですよ」
「何だろう…………」
倉庫を回ってきたが、無くなっている部品は無さそうだ。最近は来ていなかったので、購入記録と照らし合わせてみたが、それでも無くなっている物が無かった。
「ミゼットか…………」
「既に売薬済だったのに…………」
どこかに、古いミゼットが眠っていないだろうか。田舎を巡って探してみよう。
「まあ、事務所に移動しよう」
倉庫に鍵をかけ、事務所に移動すると、俺達は風呂に入り直した。
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