第六章 老木と恋桜

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 将利は車の快適さと、揺れの少なさに感動していた。しかし、こんなに揺らされていたのならば、車が揺れなくても関係ないだろう。 「それと、すごく気持ちいい。今まで、怖がってしなかったのが、悔しいそうだ」  何だか、助けようとしていた自分が、馬鹿みたいだと思ってしまう。 「急いで助けなくても、大丈夫そうだ」  他には轟は優しく、恋人のように扱ってくれると言っていた。 「吊り橋効果かもしれません」  危険な目に遭ったドキドキと、恋のドキドキが分からなくなっている可能性があるようだ。 「人の恋路の邪魔をしてしまうかもしれない」 「誘拐して恋愛ですか?」  しかし、誘拐したのは他の者で、助けたのが轟なのだ。 「車を特定しました。GPSで場所を追跡します」 「お願いします」  しかし、ゴリラの交尾にしか見えない。人間は、ここまで体毛が濃くなるものだろうか。これは、人間に進化する前の猿人ではないのか。  それに、将利の善がりが凄い。肉体のぶつかり合いで、下手をすると、格闘技にも見えるのに、口を大きく開いて白目になっている。その口から、泡が溢れていて、垂れ流しになっていた。  そして、確認したくはないが、尻からも泡が溢れ出ていて、それは中出しされたせいだろう。その量も半端ない。 「車は轟の持ち物。とれたてのマグロで、場所は限定できる…………」 「まあ、そんなところです」  追跡は白蓮に任せ、俺は洗濯をしておこう。作業着は中々乾かないので、乾燥機が欲しいものだ。  庭に出て空を見上げていると、上で白蓮が呼んでいた。 「桜葉、代わりが到着しましたので、俺は帰ります」 「お疲れ様」  すると、俺の居場所が分かるように、GPSを渡されてしまった。
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