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それからというもの、私は幸せを呼ぶ植物を使っていろいろな願いを叶えた。
まず、運動上手になりたい。
そうテストを返された日の寝る前に願ったら、次の日の体育での100メートルそうで12秒代を叩き出した。
頭の植物は、また成長し私の顔と同じくらいの大きさになった。
次に、好きな人と付き合いたい。
私の好きな人は、イケメンで、優しくて、誰からもモテる先輩。
地味で人よりも出来ない私が、先輩に見て貰えるなんてありえない、って思ってたけど。
この植物に願ったら、次の日の昼休み、先輩に呼び出されて告白されちゃった。
それも、他の生徒がいる目の前で。
もちろんその場でOKしたら、周りにいた『元ライバル』たちが悔しそうな目でこっちを見ていた。ざまぁみろ
その次には、可愛くなりたい。
完璧な先輩の隣にいるんだもの、釣り合わない人間だったら先輩の評価が下がっちゃう。
次の日には、ぱっちりした目に陶器のような肌、さらさらの髪を持つ別人のような私がいた。
その他にも、沢山の願いを叶えてもらった。
頭の植物は、いつの間にか花を咲かせていた。
私の人生は、この植物のお陰で幸せ、なのだけど。
「……っ、」
「どうした?大丈夫か?」
「大丈夫です。
ちょっと、目眩がしちゃって……」
最近になって目眩に襲われる事が多いのだ。
「大丈夫か?医者に行った方がいいんじゃ……」
「いえ、大丈夫です。
そんなことをするくらないなら、先輩と一緒にいた方が幸せです」
気丈に振る舞って大丈夫だと伝える。
「そうか……なら、いいんだけど」
先輩も、渋々ながら納得してくれた。
目眩は、デートが終わるまで治まりそうになかった。
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