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馬乗りになるが、怪獣は下から三角締めを返してくる「やるじゃないか」
それを持ち上げ、地面に強く叩き付ける。
マシンを怪獣に急接近させて、下から蹴り上げようとするが、再び捕まれる「やばいっ!」
ぐるぐるとマシンを振り回し、地面に強打する。体勢を崩したマシンは怪獣に胸元を踏まれる。
「ここまで強くなるとは...」
「浅見さん、危険です、今すぐ戦闘を離脱して下さい」
「どうしてだ?」
「この怪獣のほかにも、怪獣反応が複数出ています!」
「複数いるだと」
「これは、一体を囮に我々人類を狩猟するつもりです。つまり、我々は怪獣の狩りの対象です」
「何故そんなことを?」
「憶測ですが、食の不均衡対策の怪獣食のために乱獲された、復讐ではないでしょうか? 食べられない部位はマシンの燃料になってますし」
「だからって手ぶらで帰れるか!」
離脱するなら脚一本でも持って帰らないと怪獣自衛隊の恥だと、脚を掴む。
「マシン、エスケープモード!」
マシンの脚からマイナスイオンを噴射させ、全速力で自衛隊本部に戻ろうとするが、群れて来た怪獣たちにたちまち取り押さえられる。
「鬱陶しい奴らだ」
「駄目です浅見さん、離脱に専念して下さい」
「今更無理だろ、全員相手にしてやるよ、マシン性能アップデート!」
浅見はマシンの出力を最大に引き上げる。掴んだ怪獣をヌンチャクのように振り回し、次々なぎ倒していくが、それも束の間、一体のタックルで簡単に倒される!
「きくかよ、そんな攻撃が!」
下から蹴り上げて、頭をひっつかまえると、ハンマー投げの要領で振り回し怪獣の群れに投げ飛ばす。しかし、今度は背後からのタックルがくる。
「こいつらキリがないな!」
「これは警告です、人類は怪獣に生かされていることを、忘れるなと。怪獣たちはそう訴えているんです」
「じゃあ、どうすればいいんだ?」
「攻撃を中止して下さい! 続ければもっと酷い制裁が来ます!」
「この状況でかっ!?」
怪獣はマシンを見下ろしながら、口を開き破壊光線を放射するために、エネルギーをためはじめていた。
「早く!」
「俺に死ねというのか?」
「早く!」
「どうなっても知らんぞ。戦闘モード解除!」浅見は叫ぶ。マシンは出力ゼロにして動かなくなると、怪獣は破壊光線をやめた。
「攻撃を、やめた?」
「我々人類中心でこの世界は回っていない。しかし、怪獣の貴重なデータは手に入りました」
「次は俺たちが勝つ」
浅見は海へ戻っていく怪獣たちの背中にそう呟いた。了
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