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怪獣発電
「怪獣たちはどうやら彼らにしか聞こえない周波数で互いにコミュニケーションをとりながら、狩りを効率的にしていることが判明しました」
自衛隊オペレーター鬼頭は長官の古田に狩りの報告をする。最初から一対一の戦いではなく、人類は狩りの標的だった。
「それで、我々の戦闘データを学習し仲間同士で共有しています」
「報告、ご苦労だった。悪いが浅見は隊を抜けて貰う」無情にも、古田は浅見に除隊命令を出す「手ぶらで帰るばかりか怪獣どもに大敗を喫したことは、怪自始まって以来の恥だ」
「待って下さい、撤退を命じたのは私です。除隊するなら私ですよ。浅見さんは命がけで戦ってきたんですよ長官!」
「次は勝ちます、もう一度だけチャンスを頂けませんか?」
古田に頭を下げて再戦を申し出るが彼は頷かない。
「我々は遊びでやっているんじゃない、日本の食糧とエネルギーを担う重要な任務を任されているんだ」
「食糧とエネルギー確保も重要ですが、人命も最優先すべきです。それに日本人は今、少数民族ですよ、怪獣と互角に戦えるのは浅見さんを始め限られた自衛官のみです」
怪獣の出現が、少子高齢化と新型コロナウイルスの影響によりフレイル症候群となり、戦闘能力を失った日本人に追い討ちをかけ、人口を大幅に減らし国の生産も著しく減少した、それに救いの光をもたらしたのが国産の怪獣の肉だったが。
「勝算はあるのか?」古田はため息混じりに訊ねる。
「マシンの性能をアップデートさせて、こちらも総力で怪獣と対峙するのが上策かと」
「日本は核兵器が使えない、新型コロナウイルスは国民に被害が及ぶ。どうマシンの性能をアップデートするんだ」
「こちらも怪獣たちの狩猟パターンをチームで共有し、一体ずつ括弧撃破するんです」怪獣が、こちらを学ぶならこちらも怪獣から学ぼうという戦法だ。
「怪獣の肉は外国に高値で売れる日本経済の基盤だ。あまりダメージを与えると売れなくなるが、それが出来るのか?」
「こちらの弾丸は軽々とかわす動体視力、反射神経、身体能力はおぞましく発達しており、ブレードを簡単に折るほど、外骨格は硬く、肉弾戦においては技を学習して返してくるなど知能も高いですが、動作自体は単調です」
「戦った俺からいわせて貰えば、それは確かな情報でしょう」
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