うさぎ日記

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 家に着いた時、母に「あら帰ってきたの?」と言われたので「忘れ物をしたから」と言い訳をした。朝ご飯までの時間、私は自分の出屋で日記を取り出した。高校二年生になってからの日記を見返すと、春の天気のように情緒の波が激しい。自分が書いたことに恥ずかしさともどかしさを感じてしまい、完全に読み切れていないのにページを次々に捲ってそれを終わらせた。もうきっと、この部分の日記の内容を振り返ることはないだろう。それを目にして咀嚼できる自信が今も、これからもなかった。  私は裏表紙に貼られた『専属うさぎ』を眺めながら、沙彩に弁解するための言葉を考え始めた。
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