だいくさんのおてつだい

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大工さんのお仕事と言うものは確かに体力はいる。まず、材料が重い。木材も重いし長いしで担ぐにはコツがいる。 合板やボードを運ぶ際にもやはり力いる。 私はこれをカバーする為に機動力で勝負した。持てる量が知れてる分、駆け足で現場に戻るのだ。 でも実は大工さんに一番大事な物はやはりセンスである。大工さんはお家のお医者さんだ。その場、その場で対応出来る経験値とセンスがないと出来ない。最近は電動工具も沢山出ていて楽にはなっているが、本来大工さんとは、差金となぐりさえあれば家は建つ!と棟梁はいつも豪語している。 流石に私は大工さんにはなれない。まず、センスがない。数学苦手な私はいつまでも構造的な寸法の話をされてもいつまでたってもちんぷんかんぷんなのだ。 大工は引き算で仕事を始めるんや! と言われても仕上がりからの引き算が出来ない私は根本的に無理なのだ。 ここはもうお手上げ、技術的な事は棟梁の指示通りにするしかない。 後大事なのは掃除と片付けだ。 私は主にここを担当する。たまたまというか私は個人的に掃除が元々好きで、まるで苦ではなかった。 これは棟梁を感動させたらしい。 棟梁曰く「掃除がマトモに出来ん奴に仕事頼みたいと思うか? どんなええ仕事しようがそんなん素人が見るんは目の前の掃除や、片付け掃除出来てへんかったら【あー、この大工は仕事もきっとぬるいんやろな】って思われるやろ?一番大事や!」 と熱を込めて話していたのを思い出す。 たまたま私の特技が合致したという事も含め、私は大変棟梁に重宝された。 やはり綺麗に片付け掃除すると例えばリフォームでお客さんがいる家でのお仕事なら余計後々お褒めの言葉を毎回頂いたのであながち間違いではないのだな、という事が分かる。 だから私が先入観で思っていた大工さんのお仕事は中に入ってみれば、実は女性の方が向いている事も沢山あったりする。 確かに現場は綺麗ではない。汗水たらし木屑、土屑だらけになる。それが嫌だという女性には全くお勧めは出来ないが、、 女性が向いているという理由をあげる。 だいたいの男の人は一点集中力は確かに凄い。 女性はその逆で一点より周りやその先を読む空気能力が強い。 だからこれがセットになると実は最強なのである。 マンションリフォーム、相手はコンクリート、天井に振動ドリル【コンクリート穴あけ機械】で穴を開け、インパクト【電気ドリル】で65【ミリ】のノンカール【コンクリビス】を打つ。 この仕事を一人でしようとすると 脚立を立て、振動両手で穴を開け、脚立を降り、インパクトとビスを持ってまた脚立を登り打つ。 の工程の繰り返しである。 これが手元【私】がいる場合に置き換えてみよう。 まず棟梁が脚立に登る。私は右手に振動ドリルを渡す。 その間に次に脚立を立てるであろう場所にもう一つの脚立を立てておく、 棟梁振動終わり。ドリルとインパクトを交換。インパクトの先にビスも仕込んでおく。 棟梁は隣に立てられている脚立に降りる事なく移動、私はまた右手に振動ドリルを手渡す。 これで棟梁の無駄な時間はぐっと減る。気がつくと手には次の道具が手渡されている。 これも先を読む力である。出来るのと出来ないのではかなり違う。 だから私は現場に入るとまず一通りの道具や材料がどこにあるかを確認する。 何かを持って来いと言われた時に的確に持っていける様に、だ。 現場で心がけている事は常に動線は綺麗にしておく事。 ただし棟梁の仕事している半径一メートルの物には手を触れない事【作業中はどこに何があるか自分で覚えている為触られたくない】 私は初めの頃、ニッパーとペンチとクリッパーの違いがなかなか覚えられなくて「悩む時間が惜しいから全部持ってけっ!」といつも三種類棟梁の前に差し出していた。 自分の仕事がどんなに途中でも棟梁に呼ばれたらその手を止めて飛んで行く。何故なら棟梁の仕事が回らないと全ての仕事が滞るから。それは最優先。 手元がいる大工さんは強い。 能力ある大工さんが二人になると必ず喧嘩になる。職人あるあるじゃないけど、どちらも自分のやり方を譲らないのだ。だから逆に仕事が進まない。 勿論一戸建てを建てる、棟上げをするという場合は誰の仕事か分かっているのでスムーズに進む事があるが、基本的には職人は現場に少ない方がいい。 何にも知らない人の方が意見がない分、楽な事もある。 そう思うと手元を持つ大工さんは自分の仕事に集中し、なおかつスムーズに仕事が進むよう段取りをしてくれる手元がいる。 解体してもいつの間にか片付いている。 探す前にそこに求めている道具が用意されている。 という具合だ。 ともかくここで言いたかったのは大工さんは実は男性だけでなく女性にも向いている、という事が言いたかった。 まぁ私の場合、更に特別な女性ならでは、のお仕事が待っているのだが、、、、
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