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棟梁は私を大切にしてくれる。
でも彼女にはなれない。それは出会った頃から分かっていたし、なるつもりもなかった。
当然棟梁は結婚されている。成人はしているがお子さんもいらっしゃる。私はそこに介入してまで棟梁を彼氏にはしたくないと思っていた。
だから当然デートもしないし、ホテルにもいかない。
セックスは現場のみ!である。
勿論毎回セックス三昧という訳でもない。基本大工仕事は二人でやるが、現場が大きくなるとそういう訳にもいかないし、大工仕事だけが建築ではない。
クロス屋さんや配管屋、電気屋、同じ原場には色んな人が入り乱れる。
工程表はあってない様な物で、皆さん都合のいい時に来る事が多い。
だからそんな毎回セックスが出来るという問題ではないのだ。
だからたまに二人きりの現場になったりすると改装途中の押し入れや、便器を外したトイレ等でセックスを楽しんだ。
セックスで体力は使うのだが、当然棟梁はご機嫌である。
と、いうことは仕事がはかどるのだ。セックスの時間を引いたとしても棟梁は致す日は1日通してご機嫌である。
建築というのは大工さんの機嫌に周りが左右されると言っても過言ではない。
大工さんのご機嫌を損ねると何だかんだ下地や基礎をやっているのは大工さんなので機嫌を損ねるといつもやってくれる仕事をしてくれなくなるのでそれに関わらなければならない後の業者は苦労するのだ。
私はそれを毎回見てきた。
棟梁は初めの頃にも言った様に、顔は怖いし、口が悪い、声はデカイし、悪気がなかったとしても明らかに怒って聞こえる上に、更に超絶短気なのだ。
そりゃ怒らせない様にする方が大変、という事で、私が手元として棟梁にくっついて仕事してから棟梁が優しくなった。
との周りの業者さんの話をよく聞く様になった。
当然男女で仕事をしていると、周りの皆さんは必ず間違いなく「彼女?」と聞いてくる。面倒だけど本当に違うしそれで変な誤解を浮けて私が棟梁の奥様と面倒になるのもごめんだ。
まぁ確かにやっている事は不貞なのかもしれないけど、これはお仕事の一環!と例えるとあながち外れではない。
「高橋さんいると棟梁が丸くなってやり易い。何で???」と実際皆さんに協力しているのだ。
という事で私は手術の器械出しの様な大工さんの手元をしながら、仕事を読み、棟梁を読み、棟梁とセックスをする、という仕事?に定着する事になった。
たまに棟梁は気心知れた大工仲間に私を派遣する様になった。
確かにその頃には、自分で寸法を計り刻む位は出来る様に仕込まれていた。
当然墨付けなんかが出来る訳ではないが、手元としては合格を貰った、という事になる。
私は絶対的に棟梁の事を信頼していたので、自ずと自分の使命も何かは分かっていた。
勿論大工仕事も掃除片付けもするが、、、
勿論セックスもご要望とあればする。
しかし私はあくまでも棟梁の従業員。派遣されたからと乗り換える事はしないしプライベートとは完全に切り離していた。棟梁もその私の性格をよく熟知している様だった。だから今までトラブルになった事はない。
それよりも仕事の需要が増えるという形に繋がった。
私のやっている事は女子にしか出来ないうえに私も喜んでやっているから、結果WinWinなのである。
棟梁はその筋ではかなり存在感のある人間なので、結局私のバックはそんな立派な棟梁なので上手く行っているのかも知れない。
だからといって棟梁は自分の利益の為と私を無理矢理派遣したりする事はしない。私が断ればそれはそれで大工仕事だけでもOKだった。基本的には「真由はわしのもん」と思ってる節もあるし
他の人には「真由」と呼ぶ事を禁止している。皆私より年上なのに「高橋さん」と言う。
しかし面白い。
職人さんというのはいつも比較的好戦的な態度を取る方多い中、いざセックスとなるととても優しい人が殆どだった。
家で亭主関白気取っていても本性は違ったり。棟梁レベルの大工さんになると肝臓に病を抱えているか、嫁さんに逃げられたかどっちかに当てはまる。
だから余計女の人に肉体的にも精神的にも癒しを求めているのだと思う。
言葉が不器用な人が殆どだ。でもそんな人程優しい。例えセックスでなくても膝枕で話を聞いて上げるだけでもいい。
しかしやはり年齢層が高めの為自分の気持ちよさより女性の気持ちよさそうな態度を優先させる。
当の本人は一度いけたらいい方だからとにかく私を感じさせる。
私は一回のラウンドで5回いっちゃったりするのはザラである。皆、しつこく、気持ちいい。私が喜べば喜ぶ程嬉しい様だ。
最後の射精までは挿入してからいくまでは結構荒々しく、そして短い。
中には長い人もいるが私は突かれるのも好きなので色んな態勢で何回もする。
でも一貫して言えるのは「現場のみ」である。帰る時も、次会った時も普通!これを徹底しないとプロ?ではないのだ。
お気に入りのキャバ嬢の様に気に入ったからといってほいほい呼び出されるものでもない。棟梁がその気にならなければ私は派遣される事はなかった。
まぁ言葉使いを悪くすると、私の存在は自慢の道具でありマウントなんだと思う。
でも私はそれでいいと思っている。色んな大工さん所に行ったが、私はやっぱり一緒に仕事をしていて【セックス含む】一番楽しいのは棟梁であり、その棟梁の使える道具になれたというのはとても嬉しい事だ。
あなたでないとならない。
というのは言われて嫌な気持ちになる事はあまりない。
どこに行っても求められる。
それが有り難かった。
大工さんのお仕事手伝ってます!と言うと周りの反応は「女の子なのに凄いねぇ」と言われる。
私も初めての印象はそうだった。
けど内情は全く違った。女子だからこそ出来る大工仕事も一杯あった。
おかけで私はまだ大工見習いを続けている。
多分これはお仕事なんで彼氏が出来ても嫌にならない限りは続けようと思っている。
秘密の「だいくさんのおてつだい」と共に❤️
完
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