第一の猫、参上❗

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第一の猫、参上❗

「それで、お願いがあるんですけど……」 女神様が、もじもじしながらこちらを見ている。 うん、嫌な予感しかしない。 「一刻も早く、猫さん達を見つけてほしいんです」 あれ? 思ったよりフツーだ。 「もちろん、探すに決まってるでしょ。私の大事な猫達だもの」   言われなくても探します。 「ところで、私の能力は?」 ドラゴンのいる世界に、アラサーがそのまま放り出されても困るしね。 「一応、テイマーという事になっています。無限収納には、猫さん達のご飯とかたくさん入れています」 ……猫メイン? まぁ、いいけどね。 そこに、一匹のキジトラ猫がやってきた。 「りゅうたろう!」 私が名前を呼ぶと、りゅうたろうは肩に飛び乗ってきた。 「痛い、痛いって!」 子猫の時から肩乗り猫だったりゅうたろうは、大人になっても私の肩に乗ってくる。 重いし、爪はたてるし、私の背中は傷だらけだ。 「りゅうたろうさんは、つかささんと一緒に寝ていたので出て行かなかったみたいです」 何しろ、親猫に育児放棄されていたのを私が育てたからなぁ。 ベッタリなのよね。 「りゅうたろうさんの能力は、体の大きさを自由に変えられます」 ……は? 「片手に乗るサイズから、お城くらいまで大きくなれます」 何言ってんの、女神様。 「ドラゴンなんか、ぷちっ! です」 ドラゴンの前に、私がぷちっされるわ!
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