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プロローグ
10代の頃、自分のことを一途に思ってくれる男性と絶対出会えると思ってた。
少女漫画ばかり読んではそのうち出会えるイケメンと運命のような出会いをし、そのイケメンにずっと愛されて流れるように結婚………。そんな素敵な恋愛ができると思ってた。
初めてできた彼氏は大学一年の頃の2個上の先輩だった。もう名前も覚えていないような元彼との別れは大学2年になったばかりの頃で、新しく入ってきた新入生との浮気だった。
どうやら私の元彼は、新入生食いで有名だったらしい。結局私の大学一年生というステータスに惹かれた男だった。
そして現在
「なんだよぉ………結局は私の″丸の内勤務”というステータス目的じゃないの!!!」
丸の内の地下街にあるとある創作居酒屋で、私はやけ酒中。理由は一つ、結婚予定だった彼氏に浮気の末逃げられた。それだけ。
「まぁまぁ…そいつと別れられただけ幸せじゃん。結婚して浮気されてたらまじでシャレにならないからね。」
あ、紹介が遅れました。私は藤原 撫子29歳、丸の内のとある証券会社の一般事務をしております。
現在、同期の一般事務の山本 美都子を連れ出し、別れたばかりの彼氏の愚痴を聞いてもらってる。
美都子は2年前結婚して、旦那さんもいるってのにこうして付き合ってくれるのには感謝しかない。
そして……
「ナデコお前、本当に不憫なやつだなぁ……。」
丸の内は案外狭いので、意外と飲んでると知り合いにあったりする。だからこそ誘ってない奴がなぜか同じ飲み屋にいることなんてよくあるのだ。
「……なんであんたがいんのよバカ八束!!」
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