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その後、彼女は補習が終わったのか、僕と会うことはなかった。 それに、勉強を教えたとしても2週間だけ。彼女はその後に訪れた夏休みに夢中になってしまい、結局直接会うことはなかった。 ただ、僕は彼女がよく手に取る少女漫画を読み、彼女の理想になろうと努力した。 太陽を浴びずとも、夜間ジムで運動をし、身長も高校3年で20センチも伸びた。 大学も一緒にしたかったけど、それは両親の方針で叶わなかった。その代わり、同じ東京の大学に進学した。 彼女が入ったサークルがインカレサークルではなかったため、サークル間で出会うことは難しかった。 それに、彼女自身、大学一年生から彼氏を作ってしまったから…………。 そこから途切れない彼女の男関係。結婚まで漕ぎ着けられたときはヒヤヒヤした。でも、バカな男でよかった。 「うーん、いちずなおとこなんてどこにもいないじゃんかぁ………。」 メガジョッキに手を添えるだけになり、ぐったりと居酒屋の机に突っ伏してる彼女のやわらかな髪の毛に指を絡める。なかなか触れない彼女の細い髪の毛に触れるだけで、身体がゾクゾクとしてしまう。 「……撫子さん、僕は一途だよ?」 それから彼女の肩を揺らし、ぼやけた意識のまま店を出てタクシーに乗るように促した。
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