13人が本棚に入れています
本棚に追加
それにしても、総合職と一般事務はやってることが全然違うのね。
総合職にのみ与えられる会社用スマホにかかってくる電話に対応してる八束を見て思う。
最初は英語、次に中国語、スペイン語やインド語など、あんたは何カ国の言葉が話せるんだとびっくりしてしまう。
「八束、私もうそろそろ帰るね。」
そう声をかけて八束の家から出ようとすると、まだ頭痛いんじゃない?と止められる。確かに私は八束の仕事風景を見ながら何度も吐き気に襲われている。薬ももらったが吐き気は薬だけでは止まらない。
「ベッドはずっと使ってていいから。」
………八束が優しい。こいつは私に絡んでくる時、こんなに優しさなんて発揮してなかったのに。
いや、それは申し訳ないです!!と思わず敬語になってしまった。
それから照れ隠しで八束の部屋のリビングから出る。それにしても、同じ年で同じ時に入社したってのに、なんでこいつの部屋はこんなに広いわけ?私なんてワンルームなのに……。
リビングや風呂場、トイレ以外にも扉があり、びっくりしたが、どうやらその部屋は鍵が閉まっているのか私には開けられなかった。
なぜ開けようとしたかって?トイレだと思ったんだよ……ははははワンルーム生活が長いからさ!!!
最初のコメントを投稿しよう!