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・・・
夜も深まり、フロアには数人しか残っていなかった。
―――…
…よし、終わった!!
データを上書き保存して、大きく伸びをする。
あとは印刷して…ついでにファイリングまでしとくか。
そっちの方がキリがいいし。
よし、倉庫に行って新しいファイルを取ってこよう。
椅子から立ち上がる。
定時後に移動するときは、帰ったかわからなくなるので
移動先をだれかに伝えてから行く決まりだ。
辺りを見回すと、同期の沢木くんがまだ仕事をしていた。
沙利
「沢木君も遅いね。」
沢木
「おー。もうちっとかかりそう。植野も今日はだいぶ遅いな。」
沙利
「うん。でも今終わったとこ。最後に倉庫に行っとこうと思って。」
沢木
「りょーかい。俺、まだ帰るつもりねーから、行って来いよ。」
沙利
「ほんと?」
沢木君は私のセキュリティーカードを見ながら言った。
沢木
「おう。あいつらも当分かかりそうだし。施錠はしないでおくから。」
と遠くで話す彼と同じグループの社員達を目で示す。
沙利
「わかった。じゃあ行ってきます。」
沢木
「いってらっしゃい」
それなら、まだセキュリティーカードはいらないか。
私は倉庫のカギだけ取り、出て行った。
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