第22話 「夜の会社」

3/6
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
・・・ 4422f62b-3c7b-4d43-8d89-50223ed5e599 夜も深まり、フロアには数人しか残っていなかった。 ―――… …よし、終わった!! データを上書き保存して、大きく伸びをする。 あとは印刷して…ついでにファイリングまでしとくか。 そっちの方がキリがいいし。 よし、倉庫に行って新しいファイルを取ってこよう。 椅子から立ち上がる。 定時後に移動するときは、帰ったかわからなくなるので 移動先をだれかに伝えてから行く決まりだ。 辺りを見回すと、同期の沢木くんがまだ仕事をしていた。 沙利 「沢木君も遅いね。」 沢木 「おー。もうちっとかかりそう。植野も今日はだいぶ遅いな。」 沙利 「うん。でも今終わったとこ。最後に倉庫に行っとこうと思って。」 沢木 「りょーかい。俺、まだ帰るつもりねーから、行って来いよ。」 沙利 「ほんと?」 沢木君は私のセキュリティーカードを見ながら言った。 1c283634-ca48-4a8b-a763-517ddd4621e9 沢木 「おう。あいつらも当分かかりそうだし。施錠はしないでおくから。」 と遠くで話す彼と同じグループの社員達を目で示す。 沙利 「わかった。じゃあ行ってきます。」 沢木 「いってらっしゃい」 それなら、まだセキュリティーカードはいらないか。 私は倉庫のカギだけ取り、出て行った。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!