第22話 「夜の会社」

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・・・ …とりあえず、このファイルを使っとこうかな。 新しいファイルを小脇に抱え、倉庫の電気を消して外へ出た。 32118c73-aa01-41b9-b885-913a7b97b830 沙利 「――え!?」 ドアを開けると、廊下は真っ暗だった。 え、な…なんで? バクバクした心臓を抑えつつ、とりあえず倉庫にカギをかけた。 なんか嫌な予感がする…。 fe292e7a-a056-4c4a-aad0-52145b4ce434 走って戻ると、廊下から見えた部署は真っ暗だった。 沢木君も、他に残っていた男子社員も、誰もいない。 そんな… 沙利 「みんな、帰ったの!?」 慌ててドアを開けようとすると―― ガシャンと音が鳴った。 まさか… 55345ee8-5734-4759-bdc7-01203e0405d4 ドア横のセキュリティーが真っ赤に点灯している。 つまり、これは 沙利 「…ロックされてる。」 通常、ドアが開いているとき…つまりロックが解除されているときのランプは、緑色。 それが赤色だから、施錠されているのは間違いない。 セキュリティーカードを出そうとポケットに手を伸ばす。 …そうだ、 持って出てこなかったんだ… 倉庫のセキュリティーカードはあるけど、これは倉庫専用のカギだから …。 やっぱり反応がない。 このドアを開けるためには、通常のセキュリティーカードがいる。 5dd93377-f60a-47b2-8d75-c2679dc419ee とにかく電話してみよう。 沢木君がまだ近くにいるかもしれない。 もう一度ポケットに手を入れようとして気づいた。 …カードだけじゃない。 財布も、携帯も、すべてこのロックされたドアの中だ。 一気に青ざめる。 ああ、もうどうしよう。 そうだ! 守衛さんが一階にいるはず。 マスターカードキーを持っているはずだから、事情を話してカギを開けてもらおう。 そう決心し、後ろを振り返った。
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