8人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
・・・
…とりあえず、このファイルを使っとこうかな。
新しいファイルを小脇に抱え、倉庫の電気を消して外へ出た。
沙利
「――え!?」
ドアを開けると、廊下は真っ暗だった。
え、な…なんで?
バクバクした心臓を抑えつつ、とりあえず倉庫にカギをかけた。
なんか嫌な予感がする…。
走って戻ると、廊下から見えた部署は真っ暗だった。
沢木君も、他に残っていた男子社員も、誰もいない。
そんな…
沙利
「みんな、帰ったの!?」
慌ててドアを開けようとすると――
ガシャンと音が鳴った。
まさか…
ドア横のセキュリティーが真っ赤に点灯している。
つまり、これは
沙利
「…ロックされてる。」
通常、ドアが開いているとき…つまりロックが解除されているときのランプは、緑色。
それが赤色だから、施錠されているのは間違いない。
セキュリティーカードを出そうとポケットに手を伸ばす。
…そうだ、
持って出てこなかったんだ…
倉庫のセキュリティーカードはあるけど、これは倉庫専用のカギだから
…。
やっぱり反応がない。
このドアを開けるためには、通常のセキュリティーカードがいる。
とにかく電話してみよう。
沢木君がまだ近くにいるかもしれない。
もう一度ポケットに手を入れようとして気づいた。
…カードだけじゃない。
財布も、携帯も、すべてこのロックされたドアの中だ。
一気に青ざめる。
ああ、もうどうしよう。
そうだ!
守衛さんが一階にいるはず。
マスターカードキーを持っているはずだから、事情を話してカギを開けてもらおう。
そう決心し、後ろを振り返った。
![32118c73-aa01-41b9-b885-913a7b97b830](https://img.estar.jp/public/user_upload/32118c73-aa01-41b9-b885-913a7b97b830.jpg?width=800&format=jpg)
![fe292e7a-a056-4c4a-aad0-52145b4ce434](https://img.estar.jp/public/user_upload/fe292e7a-a056-4c4a-aad0-52145b4ce434.jpg?width=800&format=jpg)
![55345ee8-5734-4759-bdc7-01203e0405d4](https://img.estar.jp/public/user_upload/55345ee8-5734-4759-bdc7-01203e0405d4.png?width=800&format=jpg)
![5dd93377-f60a-47b2-8d75-c2679dc419ee](https://img.estar.jp/public/user_upload/5dd93377-f60a-47b2-8d75-c2679dc419ee.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!