第23話 「届かない」

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…一人で残ってんのかな。 なにかあったとか? 今日は涼もいないって言ってたし… 不安ばかりが募る。 ――――… 7ec931f6-743d-4fc2-916d-24da14af040e その時だった。 ボン! げ、もう時間がきた。 faabeb2d-7274-4564-b603-0cd7dcf13226 クラリ 「…。」 自分の視界が一気に低くなる。 強制時間のお出ましか。 どんな時でもところかまわずやってくる。 今回は特に最悪のタイミングだ。 あぁ、早く大人になりたい。 最近、特にそう思う。 ぶるるる、と全身をゆすった。 ―――… しばらく待ってみたが、沙利ちゃんからの電話はなかった。 …探しに行こう。 a97efff8-65c3-44bf-b45b-2122f6484dd9 取り越し苦労でもいい。 とにかく、心配だ。 この“体”で外出しちゃダメって言われてたけど 仕方ない。 今は遅いし、そんなに人もいないはずだ。 なるべく見つからないように行動しよう。 靴箱の上に飛び乗る。 頭でドアノブを引いて押さえ、空いた隙間からジャンプした。 afe91133-6969-4be9-b740-d37841259c66 冷たい空気が一瞬で体を包み込んだ。 ――――よし、行こう。 冬空の下、 早く辿り着きたい気持ちを抑えながら走った。
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