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…一人で残ってんのかな。
なにかあったとか?
今日は涼もいないって言ってたし…
不安ばかりが募る。
――――…
その時だった。
ボン!
げ、もう時間がきた。
クラリ
「…。」
自分の視界が一気に低くなる。
強制時間のお出ましか。
どんな時でもところかまわずやってくる。
今回は特に最悪のタイミングだ。
あぁ、早く大人になりたい。
最近、特にそう思う。
ぶるるる、と全身をゆすった。
―――…
しばらく待ってみたが、沙利ちゃんからの電話はなかった。
…探しに行こう。
取り越し苦労でもいい。
とにかく、心配だ。
この“体”で外出しちゃダメって言われてたけど
仕方ない。
今は遅いし、そんなに人もいないはずだ。
なるべく見つからないように行動しよう。
靴箱の上に飛び乗る。
頭でドアノブを引いて押さえ、空いた隙間からジャンプした。
冷たい空気が一瞬で体を包み込んだ。
――――よし、行こう。
冬空の下、
早く辿り着きたい気持ちを抑えながら走った。
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