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1階についた。
いつもならここからエントランスにも行けるが
深夜ともなればシャッターで遮断され、入口は社員通用口のみとなる。
守衛室は、あの角を曲がった先だ。
――――…
沙利
「閉まってる!?」
守衛室の窓口にはブラインドが下ろされていた。
隙間からも明かりが漏れることはなく、真っ暗。
まるで人の気配がしなかった。
一縷の望みをかけて呼び鈴を鳴らす。
…反応がない。
沙利
「すみません!」
叩くように窓をノックしたが、やはり返事は返ってこなかった。
沙利
「守衛さんも帰ってる…ってこと?」
たしか守衛さんは社内が無人になったのを確認した後
最後に通用口のドアを施錠して、
帰る…はず。
隣にある社員通用口を見た。
沙利
「…。」
ランプが…赤い
ガチャン。
沙利
「やっぱりロックされている。」
本来ならロックされていても、セキュリティーカードがあれば開くようになっている。
だけど、今はそれがない。
倉庫用のセキュリティーカードをかざしてみたが、やっぱり反応は無かった。
カードもない、開けてもらうことも出来ない。
そして、今社内に残っているのは…私だけ。
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