ー20××年ー

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私の場合 ソレは、突然だった。 ある朝 いつものように起きたら 目に映る景色が 何か違う。 寝室から リビングに移動して 我が家には間違いないのだが 景色が 光っていて ボヤけているような… うまく説明できない。 現実世界が スクリーンに映し出されている感じで 私が、それを見ているような感覚とでも 言うのだろうか。 背後から 『ミホ』 その声で ハッと我に返る。 振り返ると 夫が立っていた。 夫の姿を見た途端に 景色の光がなくなり いつものリビングに戻った。 『翔平』 『どうしたんだい?まだ、5時だよ。今日は、日曜日だし、こんなに早く起きて、何かあったのかい?』 『なんか、見えてる世界が、キラキラ光ってたのよ』 夫は笑いながら 『ミホ、また、アタオカって言われるぞ。このまま起きるなら、コーヒー、いれてくれないか?』 私は、 コーヒー豆を専用スプーンで2杯 コーヒーメーカーに入れて、ミル機能で 豆を挽き、そのまま コーヒーを落としていた。 夫は 『浅岡って苗字を、アタオカって呼ばれてるんだから、自分の行動や言動が、おかしい事に、気づいてくれよ』 そうなのだ 私は、浅岡ミホなのに 職場では、アタオカさんと呼ばれている。 陰口ではなく、本人に向かって呼んでいるんだから 自他共に認める、“かわりもの”なんだけど。 夫は、自分まで、アタオカ呼ばわりされてる気がするのか、その、呼ばれ方が気に入らないらしい。 コーヒーを飲みながら 夫は新聞を読み 私は今朝の出来事を ネットで検索していた。
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