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案内された席に着くと、店内の壁に沿うようにベッドのようなソファが並んでいた。隣の席とは境界線もなく、ソファベッドの上にベビーピンクの雲の形をした天板が乗っている。
腰程の高さもあり、靴を脱いで上がるようだ。
「みて野木くん!凄く可愛い!ベッドみたいだねー!SNS映えしそう〜!」
1人でキャッキャ喜んでいると、
「俺得すぎないか」とブツブツと独り言を呟いていた。
「野木くん何か言った?」
「何も言ってないよ」
完璧なまでにエンジェルスマイルを向けられ、眩しくて目眩がしそうになる。
なんでこんな綺麗なんだろう。
崇拝する野木くんのファンクラブの子達の気持ちが最近よく分かる気がする。
彼の魅力を一身に受けて、そのうちファンクラブの子達に背後から刺されるんじゃないかとも思う。
ドキドキと鳴る胸の音を無視してソファベッドに上がろうと靴を脱ごうとしたのだが、野木くんの両手が腰辺りを押さえるように置かれる。
そのまま丈を折っていたスカートを膝までの長さに戻され、ヒョイと腰を優しく包むように抱き上げてソファに座らされる。
流れるような作業でされるがままだった。
今、軽々と抱き上げられてた?!
UFOキャッチャーの景品みたいにA地点からB地点へ移動させられた感。
そのまま当然の仕事といわんばかりにローファーをサッと脱がし、丁寧に揃えてくれる。
野木くんが羽織っていたオリーブカラーのパーカーを膝に掛けてくれ、ドリンクメニューどうする?とメニュー表を開いて渡してくれた。
な、なんだろう?!この至れり尽くせりな感じ‼︎
デートってみんなこんな感じなの?
初めて入ったお店でこんなスムーズに出来るものなの?
初めてづくしでふぁんふぁんうさメロの店内を堪能しづらい!!
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