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野木くんがそう望むのなら、、、と、思ったところで、彼はへにゃっと困ったように眉根を下げて、手を握り締めて言う。
「お願いだよ。俺をカッコイイ男でいさせて?
」
ホワイトブロンドの先に見えるアクアグレイの瞳が懇願するように見つめてくる。
あまりの必死さに、思わず吹き出してしまう。
「ふふふっ。野木くんには敵わないね。
野木くんはどんな時でもカッコイイよ」
折れないつもりでいた気持ちだったが、今はホッとしていた。
そんな気持ちを彼は見透かしていたのかもしれない。
勢いではダメなんだ。
それに、野木くんの言う通り繁華街は治安が悪い。
この前も暴力団幹部が1つの組を解体したと噂になっていたばかりだ。
野木くんは頬をポリポリとかくと、下がっていた眉根が今度は難しそうに上がっている。
「乙葉ってホント、俺の心揺さぶるよね。今更だけどやっぱりホテル連れてっちゃおうかなとか考えちゃう」
「えっ?!」
「ジョーダン笑
そんな余裕なさそーにみえちゃう??」
野木くんの本心が本当、どこにあるのか謎である。
余裕無いなんてそんなこと思ったこともない。
むしろ、いつも余裕あり過ぎて、こっちがもっとしっかりしなきゃって思うくらいなのに。
首を左右にブンブン振って否定すれば、野木くんは可愛いなと笑ってくれた。
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