悪魔ドーナツがあざ笑う、ダイエットストーリー ―ある夫婦の愛のカタチ―

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 想像以上だった。人に語れば明らかに日数は掛かっているが、彼女の感覚の中にダイエット中の文字など存在しない。それなのに目に見える結果が確実に出ている。  そのタイミングを期に、西城が告げた第三の段階へと進める様に彼女へ声を掛ける。 「少し痩せた?」  彼女は微かに頬を赤らめおどけた表情で答える。 「うん。どうしてかな? 服のサイズ一つ小さくなったの――」  こうして体重やスタイルを認識させる褒め言葉を日常生活に添え、彼女自身に痩せる喜びを意識させた。 『彼女ならきっと――、 西城が告げた、ダイエットの方程式を解く事ができる』  その希望は……、 ……、 見事に裏切られた――。
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