Gが飛ぶ! ~九条探偵事務所~

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初夏の西陽がまだ優しい夕暮れのオフィス街。 ヒールで歩くにはお洒落な石畳の歩道はちょっと気を使う。 端に寄り、仕事終わり無言で歩く人々の群れが駅に吸い込まれて行くのを横目で見ながらスマホの画面を開いた。 「ごめん、今日も残業!また連絡する」 パタンとスマホケースを閉じ、バックに投げ込んで、下を向き小さいため息をひとつついた。顔を上げ、何もなかったかの様に群れに紛れ駅へと向かった。 つり革に捕まる手に力が入る。 決めた!脳内に声が響きわたる。 駅に着き、真っ直ぐに古びたビルの2階に向かった。 [九条探偵事務所] 迷いもなく扉をノックした。
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