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親類の親類は皆親類
***
目の前にいるこの優しそうな男性が「ヒロさん」に違いない。
スキンヘッドでレスラー体型の管理人さんのお友達だからもっと任侠寄りの方をイメージしていた。
普通の人で良かった……
ヒロさんの説明を聞きながら、俺はそっと胸をなでおろす。
「こちらがキーとなります。ゴミ捨て場の鍵もこちらで開きますので。なくさないようにしてくださいね。何か他に質問とかありますか?」
俺はふと気になったことを聞いてみた。
「あの、吉岡ハイツの管理人さんとはご親戚なんですか?」
管理人さんの親類なら吉岡の親類、ひいては将来的に俺の親類になるなんてこともあり得るわけで……
そこまで妄想して自爆する。
突然真っ赤になった俺を不思議そうに眺めながらも、ヒロさんは穏やかに教えてくれた。
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