ヒロさんと芹くん

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ヒロさんと芹くん

「うちの父が龍之介さんと旧知の仲だったらしくて。父がなくなってこのマンションを僕が引き継ぐときに、龍之介さんには色々教えていただいて、助けてもらったんですよ」 管理人さん、龍之介って名前だったのか! 吉岡に管理人業務を押し付けてフラフラしてると思ったら、自分だってやればできるんじゃないか! 今年の確定申告は絶対管理人さんにやらせてやる。吉岡の冬休みは俺が守る! ヒロさんの話を聞いて、俺は決意を新たにした。 *** 軽い雑談の後、部屋のキーを受け取って早速303号室へと向かう。 エレベーターが開くと高校生くらいの男の子が降りてきた。 目つきが鋭い。うちの学校にはいないタイプの子だ。ストリート系のファッションに天使のようなふわふわの髪型。どことなく都会の香りがする。 「ごめん、芹くん。玄関閉めちゃったけど鍵持ってる?」 ヒロさんが声をかけている。 同居人? 弟さんかな? 俺は一応ペコリとお辞儀をした。
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