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彼には悪いと思っているが、これは私にとって大事な宝物だ。冬休みの間だけでも、とお気に入りとして保存している。
直ぐに久瑠未とスマートフォンを確認すると、そこには撮影日時がしっかりと記録されていた。
「とりあえず、これを持って警察に行こう」
「でも、これは盗撮した写真だから……」
これは決して誰にも見せないと約束した写真だ。でも、今はそんな風に意地を張っている場合ではない。
「彼と盗撮写真とどっちが大事なの?」
真面目な表情で久瑠未が究極の選択を迫る。
「もちろん、彼に決まっているでしょう」
彼の人生がかかっているのだ、もう悩んでなんかいられない。
「それなら、彼を救いに行くのが優先でしょう?」
「うん」
「よぉし、さっそく警察に行こう!」
授業が終わると総務部へ直行し、担当の刑事の名前を聞いて警察署へと向かった。
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