14人が本棚に入れています
本棚に追加
大学卒業後バスケットボールから引退し、一流企業に就職したものの大人の事情で退職。今は母校の学生課に勤務している。
口さがない人たちの噂によると、社内虐めやセクハラ被害とかでメンタルを病んでの転職だったらしい。
「何だか最近は益々やつれちゃって、昔の面影がなくなっちゃった気がしない?」
「そうだね、ここの仕事も大変なのかな?」
単なる偶然で由依が声をかけてきたのだろうと、この時はまだ気に留めていなかった。だか、この先も偶然が続くことになっていく。
その後、何処から仕入れてきたのか、久瑠未がさっきの騒動の真相を教えてくれた。
事件当日、刈谷の死亡推定時刻に金曜日の彼と思しき男と口論していた。という匿名での目撃情報が入ったそうだ。そのため、参考人として任意同行で警察へ連行されてしまったようだ。
金曜日の彼こと戸塚大輔、二十一歳。実は成都大学の学生ではなく、派遣の清掃員だという。ちょうど昼休憩に入る金曜日の昼休み、学生に混じって図書館で勉強していたらしい。
最初のコメントを投稿しよう!