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「毎週金曜日の昼休みにあの席で勉強していたでしょう? 伊織は毎週欠かさずあなたを見ていたのよ」
こっそり盗撮までして、まるでストーカーのよう気味が悪いではないか。きっとどん引きされると思い、急に自分の行動が恥ずかしくなった。
でも、これは真実だし、この写真で彼のアリバイを証明できたのだから割り切るしかない。ここは思い切って自分の気持ちを告白するべきだろう。
「なので、私が犯人を見つけます!」
止めのひと押し、決め台詞を繰り返した。
「ば、馬鹿、伊織。ここは「好きです」って告白するんじゃないの?」
慌てた久瑠未がパスをアシストするも、私の頭は真っ白だった。
「え? あっ、あの、その私は……」
二人のやり取りを見ていた大輔が、初めて笑顔を見せた。
「まさか、俺を見ていた人がいたなんて。思いもしなかったから、本当に驚いているよ。今は直ぐに返事できないけど、ありがとう」
大輔は素直な気持ちを言葉にした。
「君の気持ちは嬉しいけど、絶対に危ない真似だけはしないで欲しい。何かあったら必ず警察に連絡して、約束してくれるかい?」
「は、はい!」
とりあえず、私たちはラインを交換して、この日は別れた。
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