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それから刑事たちが図書館での聞き込みをしている様子を、私たちは陰でじっと観察していた。
やはり、司書たちの話ぶりからも、大輔は学生だと思われていたようだ。
「真面目だしマナーもしっかりしているし、ここの学生にしては珍しいと思っていたんですよ」
講義と講義の間の時間つぶしで図書館を利用する学生も多い。昼寝くらいなら可愛いものだが、スマートフォンを操作していたり、グループで騒いでいたり、飲食をしているマナー違反の学生も存在している。
その中で一人黙々と勉強していた大輔は、真面目な学生だと見なされていたのだろう。
刑事たちが刈谷の写真を見せるも覚えがないと即答していた。
「ほら、私たちが言った通りじゃない。刈谷先輩が図書館を利用するわけがないんだから」
得意そうに久瑠未が鼻を鳴らした。
「藤原さん、廣岡さん」
すると、またしても由依が声をかけてきた。
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