14人が本棚に入れています
本棚に追加
「大麻草のこともあるし、殺人事件ですよ。講堂の裏庭で一緒だった清掃員は自分でした、なんておいそれと言えるわけがないでしょう」
当たり前だが大麻欲しさで刈谷を恐喝していたなど言えるはずがない。
「しかも、何故か俺でなく、無関係の奴が連行されたから……余計に怖くなって、白状できなかったんです」
「それで、伐採した大麻草を刈谷に渡したのは、杉野という事務員に間違いないんだな?」
「はい、そうです。伐採の指示もごみの置き場所も、同じ女が指示してきました」
杉野由依は刈谷亜斗夢とは面識がある程度で、互いに連絡し合うことなどないと証言した。それは刈谷のスマートフォンにある情報からも証明できている。
「でも、刈谷の交友関係は広すぎるし、暗号のような名前の知り合いも多いですからね」
未だ全員の身元は判明していない。だが、もしも大麻売買に関わっているのならば、正直に本名や個人に繋がる情報は出てこないだろう。
「まさか裏でそんなことが起きていたなんて、想像もつかなかった」
これが単なる怨恨による殺人事件でなく、大麻売買から派生した事件ならば……
「とりあえず、杉野由依に話を聞きに行こう。もしかしたら、彼女が事件の真相を知っているかもしれない」
「はい、了解です」
最初のコメントを投稿しよう!