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とは言え、外部からの受験生の方が圧倒的に多いため、学部が違えば同級生ですら把握できない状態だ。
「いつも本を読んでいたり、机に本やノートを広げて熱心に勉強していたり」する真面目な人なのよ」
「ふぅん、それなら益々付属進学組ならあり得ない姿だ」
そう豪快に笑った久瑠未も滅多に図書館を利用していない。
「おっと、こんな時間。名残惜しいと思うけど、そろそろ三限目が始まるよ」
またしても見つめるだけの時間で終わってしまった。
「はぁあ、毎週あっという間なんだよね」
しかも、昼食抜きだから、三時間目はやる気が出ない。
「で、彼は? まだ居るの」
「それが次の時間も授業がないみたいで、昼休みが終わった後もここに居るみたいなの」
何度か三時間目の授業後に探したが、図書館にその姿はなかった。
「ふぅん」
「それよりも、私のスマートフォンを返してよ」
「撮影料は要らないよ。ばっちり良いのが取れているから、感謝してよね」
ご丁寧にスマートフォンには静止画だけでなく、動画まで撮影されていた。
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