3.先生

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「はぁ、まったく。先生の絵は大好きですし、新しいのもいっぱい見たいですけど、健康第一ですよ?この間なんかほんとにビックリしたんですから。あまり心配させないでください…。」 「分かってるさ。そんなに心配なら毎日でも来て生存確認でもしたらどうだ?」  さっきのしょんぼりした顔はどこにいったとばかりにニヤリと笑う先生。さては、反省してないな。 「なんですか?寂しいんですか?」  そう言い返せばキョトンとした顔をしたあと先生はすぐに吹き出した。声に出して笑う先生は顔色こそ悪いが元気なのは間違いないと思った。 「まったく、キミって子は。」  そうはにかんだ先生は男子であれば惚れてしまうんではないかというほど綺麗だった。 「ほら、イーゼルと椅子を持っておいで。続き描いてきたんだろう?見せてごらん。」 「先生集中切れたんですか?」 「失礼な。キリいいとこまで描けたから全体を見てた所だったんだ。」 「冗談ですよ。」  そう笑えば先生も微笑んでくれる。空間に流れる時間がやけにゆっくりに感じられ心地が良い。部屋全体が先生のように温もりに包まれる。気持ちが底から落ち着く感覚を味わいながら隅に片付けてあったそれを持っていった。 「さぁ、始めようか。」  そうして、今日の授業が始まる。
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