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2.友人
2.友人
〇
―チリン
目が覚めた。自分の部屋のベッドに寝ていた。
(あ、あれ…。)
枕元にはアラームが鳴り響く自分の古びた携帯があり、閉ざされたままのカーテンの隙間からは朝日が差し込んでいた。
なんだか、随分長い夢を見ていた気がした。
いつものように着替え、両親におはようを伝える。そしていつものように朝食を取り、靴を突っ掛けて家を出る。いつも通りの朝である。それなのになんだか、記憶の1部にモヤがかかったように夢の内容を思い出せない。決してなにか不都合がある訳ではないが、無意識下でその夢を思い出そうとしている。
(なんなんだ…一体…。)
ぼんやりとした頭のまま通学路を辿る。今日もいい天気だ。
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