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Holic night へようこそ!
「あっ、ごめーん! 手が滑ったー!」
茶髪の性格が悪い女は、ひ弱そうな物静かな女にカフェオレを掛けた。
可哀想に、白のセーラーにコーヒーが染み込んでしまう。
しかも、カフェオレだからベタベタするし。
つーかそれ、ちょっと高いカフェオレじゃんもったいな。
「ごめんねー、トロ子! あっ、わざとやったんじゃないから怒らないでね!」
「⋯⋯うん、別に気にしてないから」
あわわ、泣きそうになってる、小山内さん。
「おーい、また、トロ子虐めてんのかよ、岸田!」
「あー可哀想に、俺らが慰めてやろっか?」
「ひいっ!」
⋯⋯今度は、やり●ん2人か。
虐められっ子ってそそるって話か。
確かに小山内さんは可愛いしスタイルいいもん、なぁ。
前髪で顔隠したりしなきゃあいいのに。
「あー! それいいんじゃない! ほら、あんた今フリーでしょ? その無駄にデカいチチで悦ばせてやんな!」
「えっ、あっ、あの·····」
「それとも、まだ、私のスバル狙ってんの?」
こっわ·····、女こっわ。
いやー、マジで怖いわー、好きな男の牽制するためにあそこまでやるかねぇ?
さて、ここにいるのも空気が悪いし少し隣のクラスにでも避難しようかな。
「あっ、クイーン! 探したよ! 今日はお店来てくれるでしょ!?」
「「「えっ?」」」
その場にいた全員が私を見た。
いじめっ子、ゲス男2人、いじめられっ子。
みーんな、ただのモブを凝視した。
「その名で呼ぶな! 星屑!!」
「ひっど! 渚は俺の王子様なのに! そんな事言わない!」
「店外では、私は女の子だ! 荒谷昴!! つーかお前のせいでクラスの女二人がバトってんだよ!」
岸田と小山内の2人を指さすと、昴は気まずそうに笑う。
「やっ、やほ~、マリエに塔子~」
「たっく、お前がはした金の未成年にまでいい顔するから、変なガチ恋勢が現れるんだろうが! 」
「おっ、お店·····? それに早川さんとどんな関係なの·····?」
「あっ、あはは~バイト仲間? みたいな?」
「あー、やめろやめろ。勘違いするから。私らは、コスプレ喫茶でバイトしてんの、んで、そこのイチオシCPなの」
「「はぁ!?」」
「詳しく知りたいなら、この店に来なさい。はい割引券」
「「喫茶Holic night?」」
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