02_清掃部隊

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 まだだ。まだ悲観する必要はない。猶予は1年もあるんだ。  それに俺はまだ本気の頼み込みをしていないのだから。  サラを見るとその両目には炎が宿っていた。  「ヤマト班長、私やりますよ。カムラ先輩の抜けた穴は私がバッチリ塞ぎます!」  そうだ。こんなにやる気に満ちた新人はそういない。  副班長、いや未来の隊長を背負える人材にするのが俺の新たな使命だ。  「……よし、付いて来い!サラ隊員!」  「はいっ!」  「あのー、俺まだ辞めたわけじゃないんですけど」  「うむ。これからの彼女の成長に期待だな!」  後ろからの声には振り返らず、今夜の作業に取り掛かる。
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