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「実はさっき班長に連絡したらベロベロに酔っ払ってて……。必ず行くって言ってたのに、あの人は」
沸々と怒りが込み上げているマーク。
一応フォローしておくとライアンさんは決して悪い人ではない。
仕事には真面目に取り込むけど、ちょっとチャランポランで色々とルーズでかなりのお調子者ってだけ。
うわぁ、あの人の下では絶対に働きたくない。
『うちの馬鹿班長がすみません。今日1班が死体処理の日なんですが、代わりに指示出しお願い出来ますか?』
「あぁ、やっておくよ」
それは問題ないけれど、班長を馬鹿呼ばわりしているのが気になる。気持ちは分かるけど。
『ありがとうございます。今度あの馬鹿一発殴っておくんで』
おいおい班長取れちゃったよ。
「俺らのことは気にしなくていいから、喧嘩はやめとけよ。じゃあお大事にな」
『すみません。失礼します』
無線が切れる。仲違いしないのを祈るばかりだ。
無線での会話を聞いていたサラが顎に手を当てて考え込んでいた。
「班長と副班長の諍い……。大戦争の匂いがします」
「残念だけど、そうはならない」
まだまだだなサラ隊員。夢見がちな小娘に現実を教えてやろう。
「なぜなら1班の班長は心根が優しくとても素直だからだ。いくら怒られても殴られても自分が悪かったと言ってひたすら反省する。そしてその反省をすぐに忘れる!以降はそれの繰り返しだ!」
「ぜ、絶対にその人の下で働きたくないっ」
サラは恐怖で顔が青ざめていた。
俺も同じようなことを言われてたら結構きついな。頑張って働こう。
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