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「第一章 正負の数」
プラスマイナスの話、と理解するのに駿介に時間はそれほど必要なかった。その概念はゲームの世界に慣れ親しんでいたものとしては必要最低限の知識であったのだ。数学基本マスターも、用語を除けば難なく解けた。
つまずいたのはその次だった。
「第二章 文字式」
いくら教科書を読んでも、答えを見ても駄目だった。用語を覚えられなかったのだ。
(ルールがわからない。係数ってなんだ?x?y?なんで文字を使う?)
駿介の頭の中は爆発しそうだった。
ゲームができないという禁断症状。
ここ最近ずっと友人と話していない寂しさ。いきなりつまずいた無力感。
もうダイナマイトは設置されている。あとは何がそれに火をつけるかだ。
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