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「長いカタカナ覚えるのは苦手なんです」
あっさり答える。
「あ、これほんとです」
正志が何故だか嬉しそうに割って入ってきた。
「こいつ、成績いいのに世界史も世界地理もだめなんですよ。人名も地名も全部うろ覚えで」
「うるさいアホ正志。余計なこと言うな。日本史も数学も古文も等しく成績が悪いあんたに言われる筋合いはない」
「そんなことより」
何か反論しようとした正志を止めるように早希が言う。
「今の話です。考えてたんですけど……つまり、草加さんは、あの女の子が誰かのドッペルゲンガーだって思ってるんですか?」
「ん。ああ、そうだ。思っていると言うより、知っている」
「それは……さっきの話からすると、つまり、明宏くんのドッペルゲンガーだ、と」
「ああ、その明宏くんというのが、彼女と一緒にいると思われる相手なら、おそらくは、そうだ」
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