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「違った?」
明宏は言う。
「うん。すごく素敵だし、自分が見たいのはやっぱりツリーなんだって、はっきりわかったけど……何か、違うの」
「そっか」
「ごめんね。訳のわからないこと言って」
「いいよ、そんなの、全然。だって」
明宏は今自分が感じていることを言い表す言葉を探す。そして、少し陳腐かなと思いながら口に出す。
「君の望みは、僕の望みなんだ」
中田洋司は口に入れたばかりのモナカを慌てて飲み込みながら、受話器を取った。
「はい、もひもひ」
途端に受話器から大きな声が聞こえる。
「あ……草加さん?」
恐る恐る言う。
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