12.

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「違った?」  明宏は言う。 「うん。すごく素敵だし、自分が見たいのはやっぱりツリーなんだって、はっきりわかったけど……何か、違うの」 「そっか」 「ごめんね。訳のわからないこと言って」 「いいよ、そんなの、全然。だって」  明宏は今自分が感じていることを言い表す言葉を探す。そして、少し陳腐かなと思いながら口に出す。 「君の望みは、僕の望みなんだ」  中田洋司は口に入れたばかりのモナカを慌てて飲み込みながら、受話器を取った。 「はい、もひもひ」  途端に受話器から大きな声が聞こえる。 「あ……草加さん?」  恐る恐る言う。
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