レンタル転校生

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 春の日差しが徐々に暖かくなってきた頃。  学校生活に少しずつ慣れてきた日だった。  突然、転校生が午後の授業までに来ると担任の先生から聞いた。  なんでもレンタル転校生だそうだ。  少子化の影響で、他校からのレンタルだそうだ。  校長先生はこのところレンタル転校生という新しい生徒に興味を持っているようだ。生徒数が少なくなったこの学校にも、少しでも楽しい学校生活を生徒たちに送らせたいと思っているのだろう。  他校からのレンタルをすれば、この学校もレンタルをするという。    レンタル転校生。  一体どんな生徒だろう?  ホームルームの終わり頃。  教室に入った生徒は髪の長い綺麗な女の子だった。   「今日から一週間。この教室でみんなと学びます。レンタル転校生の樫木(かしぎ) 直子です。みんなよろしくね」 「空いている席は、と……。広瀬の隣だな」  担任の先生の案内で、レンタル転校生である樫木の席はぼくの隣だった。  その日からぼくの学校生活は一変した。  樫木はスポーツも成績も凄く優秀だったのだ。    負けじとぼくは勉強にスポーツをしていると。  ある日。  担任の先生に職員室に呼ばれた。 「どうだい? 他校に負けたくはないだろう。今度は広瀬がレンタル転校生として他校へ赴いてくれ」 「はい。先生」 「最初の学校は樫木がいた学校だそうだ」  「わかりました」  ぼくは二つ返事で頷いていた。  
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