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「いえ、レンタルします」
「ありがとうございます。今日から1週間頑張って下さい。応援してますよ、ほっほっほ」
***
その日の夕食後、紙袋から、サラマドルの箱を取り出した。確かに何か年期の入った箱に見える。僕は箱を触りまくり、スライド出来そうな板を探す。
「…あった…!」
1つスライドさせ、それからまた考える。
今度はどこを動かせばいいのか。
色々と試したらものの、全然開かない。
かなり難しい細工の魔法の箱だ。
願いを叶えてくれる箱だけに、そう簡単に開かないのはわかっているけれど…
僕は学校から帰ると、夢中になってサラマドルの箱をあけようとした。
今日で3日目だ。
たまに、仕掛けが分かりそうになる時もある。
「あっ!いける」と思うけれど、他を動かせば、別の所が動かなくなってしまったり。閉じてしまったり。
しかし、4日目。
何故かうまく、白い板をスラスラと動かす事が出来た。
何でこんな事が分からなかったんだ?と思うくらいだ。
箱の端の中が少し見える。
振ってみると、カタカタと音がするから、店主から聞いていた石のことだと思った。
全部開かなくても石さえ取れれば、願いは叶うんじゃないか?
まだそこまで開いていないが、今日はうまく開けられている。
もしかして、成功するんではないか。
僕はかなり興奮していた。
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