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春の訪れにツンドラ群から森の中へ、地衣類などの
食物を折って森に入っていたトナカイが鳴き声も荒く蹄を鳴らす。
その数500万。
大陸が鳴り響き、白煙を立てる群れが里山を通り過ぎてゆく。
その黒だかりの群れを横目にキーンキーンと響く海の神の声。
また雪崩が海の神の一部を雪に埋め、止まった足を間髪入れずに
吹き抜ける雪嵐が逃げ道を塞ぐように氷結させる。
何かの力がココにある。
雪と氷の化身だ。
雪と氷を操り吹雪を生み、気候さえ操るアイツらだ!
狗神がココに居る!!
辺りを見渡す。
居た!
氷山の頂上に黒犬が見えた。
一匹ではない。
何匹も居る。
ただそいつらが吹雪を操っているのではない。
ただ動かずに何かを見ている。
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