第13章.雪嵐⑵

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第13章.雪嵐⑵

 外は一面の大雪。 亜愛の里は例外にないほどのブリザードに包まれている。 叫ぶ雪と風に大人達は長老の小屋に集まって何かしている。 悪戯盛りの男の子が小屋の外からそれを眺め、 里一番のわんぱくの海は天井裏に上がった。 リーダー格の海は行動力があって、 時々みんなを引っ張りまわして騒ぐトラブルメーカーだ。 でもこの子は無用の喧嘩をしたりしない。 反対に喧嘩をする奴がいると一方的に腕力で止める。 ずんぐりした海がゲンコツの1つでも降らせたら 大抵は海に従って仲直りする。 それでも海に従わない奴も居た。 うずめだ。 うずめは曲がったことが嫌いだ。 里へ注ぐ運河を北上すると北の入海と呼ばれるフィヨルドがある。 そこでブルーベアードの親子を見つけた。 当然のように海は皆を引っ張ろうとしたが、 危ないからと止まられたのだ。
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