28人が本棚に入れています
本棚に追加
分んないよ、そんなの。
ただ氷牙の側に居たいだけだよ。
声を聴きたい。
姿を見たら目が追ってしまう。
あの青い瞳に会いたい。
何故それがいけないの?
一緒に遊んだりご飯を食べたり、話したりしたい。
手をつないで歩きたい。
笑ってる顔に会いたい。
体温を感じるほど、近くに居たい。
それが何故いけないの?
「その昔、人と我らが決めた決まり事だからだ。」
え?あたしの心を読んだみたいに狗神が答える。
その声が問う。
「禁を破った狗神がどうなるか・・
其方は知らぬのか?」
穢れた狗神はもう狗神じゃない。
氷牙が言ってた。
「そうだ。堕ちた狗神はもはや神ではない。
我は狩らねばならぬ」
「我は氷牙を死なせたくはない。」
狗神は続ける。
「だから近づくな、氷牙を惑わすな。
我は氷牙を殺したくはないのだ」
最初のコメントを投稿しよう!