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「よく頑張ったな!バイク!状況は分かんねえけどお前が頑張った事はわかる!」
「お前ら伊原から全部聞いたぜ!お縄につけこの野郎!」
「おい、伊原がチクッたっての内緒にしてやれよ、お前ほんと馬鹿だな」
「何で?」
「あーもういいよ、とにかくお前らただで帰れると思うなよ!」
まるで緊張感がない2人のやりとりを見てか、2人が来てくれた安心感からか私は体の力が抜け崩れるように地面に腰を落とした。
「なんだよ、2人で来たのか?友輝達はどした?」
たしかに2人の他に友輝君やゆず君の姿はなかった。
「知らん!委員会活動でも、まだしてるんだろ」
「お前ら2人だけで何か状況が変わると思ったのか?」
「勿論だぜ」
修平君はそう言うとポケットから何かを取り出した。
「もし俺とやりたい奴はこれを顔や口の中にねじ込むから覚悟しろ」
とよく取り出した物を見てみるとそれは、大凡の日本人が嫌うであろう俊敏で不潔な、黒い昆虫であった。
「うわあ!きったねえ!なんでそんなもん持ってるんだよ!」
「さっき図書室の本棚掃除してる時に拾った」
田中君達は慌てふためいていた。
勿論私もその光景には驚いていた。あれを手掴みできるなんて、正直言って考えられなかった。
修平君が掴ん出る手を近づけていくと、逃げろ逃げろトイレから次々と田中君の友達は出て行った。
出て行く子たち1人1人のお尻を孝徳が蹴っていく。
「よし、口ねじ込みの刑は田中お前に決まりだな」
トイレにはとうとう私達と田中君だけになった。
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