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「デブだとかチビだとかブスだとか、誰でもあるんだよそんな事。俺からしてみたら人とお前の見てくれの違いなんてそんなもんだよ」
西日の眩しさがかすむほどの笑顔で友輝はそう言った。
「お前の見た目を人とは違うかもしれないけど、みんながみんな同じ人間なんてつまらないだろ。それでもお前自身が気にするなら俺が…俺達がお前の悩みがどれくらいちっぽけな事か教えてやる」
こんな綺麗事や気休めは何度も聞いたし、その度に当事者の気持ちも知らずに無責任な事ばかり言ってと憂鬱になった事もあったが、その時、私は何かを企んだような友輝のこの言葉は今まで聞いてきたものとは何か違う気がして、いつもと違う胸の高鳴りが聞こえた。
「この作戦を実行したら、もうお前の顔をジロジロ見る奴はいなくなるけどいいんだな?よし、じゃあみんなにも伝えておくよ。作戦名は…
スポットライト大作戦だ」
友輝は先程のまぶしい笑顔とは違う、不敵さを含んだ表情で歯をこぼした。
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