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クラス中が今何が起きたのか、わからないような雰囲気だった。 それは今声を上げた私自身もそう思っているから当然である。 するとパチパチと静かに手を叩く音が聞こえた。 その音の方に目をやると先ほど友輝君達と、かけっこをしていた、あの大人びたかわいい女子が拍手をしてくれていた。 やがてその拍手は友輝君や他の子にも伝染する様に大きくなっていった。 勿論、大喝采という訳ではない。他のみんなと同じくらいの拍手の量だけど私にとっては耳が痛くなるくらい大きく感じた。 「なんだ今の!ゾンビの断末魔か?!」 拍手をさえぎるように田中君が大声を上げた。 田中君の声をきっかけに私は慌てたように席に着いた。 隣を見ると友輝君は自己紹介を終えた私を見る訳でもなく、ボケっとした表情で次の子の自己紹介を聞いていた。 みんなの自己紹介を聞いている時は間のぬけたような顔をしていたが、自分の番になると急に友輝君の目に生気が宿ったかのような凛々しい面立ちに変わった。 「澤井友輝!趣味は遊ぶ事!好きな事は 楽しい事を探す事!将来の夢はトレジャーハンター!給食の牛乳いらねえ女子は俺のところに持ってこい!」 私のさっきの声が小さく聞こえるほど高々に自己紹介を終えた友輝君は満足気な顔を浮かべ席についた。 しばらくして吉岡さんがよろしくお願いしますと言ったと同時に自己紹介の時間は終わった。 そのあとは始業式で校長先生の退屈な話を聞いて午前中で学校は下校の時間となった。
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