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4年6組の自分のロッカーにランドセルを下ろし、席に着くと教室中に大声が響きわたった。
「うわあ、ゾンビが来たぞ」
何度聞いたかわからないこのあだ名に私はいちいち心を痛める事はもうなかった。
「パンデミックが起きる前に倒せ倒せ!」
クラスの男の子が教科書を丸め私の頭をポカポカ叩く。
「触ったらゾンビがうつるぞ」
「噛まれなきゃ大丈夫だよ」
痛くはないとはいえ頭叩かれても私は何も抵抗する事なくうつむいていた。長く伸ばした前髪も手伝って私の顔は全く見えない事だろう。
もはや日課となりつつあるこの朝のいじめを受けて私の1日は始まる。
私「河合正子」の顔半分はただれている。
顔だけではない体にも、むごたらしい程の火傷の痕が残っている。
小学校に入る前、住んでいたアパートの隣人が火の不始末でアパート全体を火事にした。
私達家族も何とか全員避難できたのだが、夜中だった事もあり逃げ遅れた私達は重症をおった。
特に私を庇いながら逃げた母は酷く今でも病院のベットの上で過ごしている。そして私は今でも消えない火傷痕が原因でいじめられていると言うわけだ。
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